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●金融機関査定の仕方

安全性分析

1.自己資本比率
自己資本比率とは、会社の総資本に占める自己資本の割合をいいます。
自己資本比率が高いほど他人資本(負債)が少ないため、資金の調達が、返済の期限のない資金で行われているため、健全な経営であるといわれます。
自己資本比率の分母は、総資本です。負債側から見ると、借入が増えれば総資本は増え、水ぶくれします。分子の自己資本を増やすためには、増資という手段以外には、利益をたくさん出していくこと以外にありません。
自己資本比率は、25%以上を目指したいところです。

2.ギアリング比率(レバレッジ比率、負債比率)
ギアリング比率とは、自己資本に対する負債の割合をいいます。
自己資本に対し、何倍の他人資本を使用しているかを示す比率で、レバレッジ比率ともいわれます。
この比率が高い場合、レバレッジを使って、ある意味自己資本を効率よく運用しているとも言えますが、レバレッジが高いということは、先物取引のようにリスクと隣り合わせと言えます。
きちんと金利以上の収益性があれば自己資本の何倍もの利益が得られる反面、金利以下の収益性、場合によっては赤字の補填である場合、新たな借入れをしなければ金利を支払えないという自転車操業となっているわけです。
きちんと金利というものを認識して、それ以上の利益をあげて初めて経営といえます。
ギアリング比率は、150%以内に抑えたいところです。

3.固定長期適合率
固定長期適合率とは、自己資本と固定負債(主に長期借入金)の合計に対する固定資産の割合をいいます。
ちなみに、固定負債に対する固定負債の割合を固定比率といいますが、日本の場合、間接金融への依存度が高いため100%を超えることが多くなりがちです。
したがって、より日本の実情に即した財務分析として、固定長期適合率が使われることが適当であると考えられています。
固定長期適合率が100%を超えていると、短期資金が固定資産への投資に使われていることとなり、バランスが崩れています。長めの資金に切り替えるなど対策をとりましょう。
固定長期適合率は、60%以内に抑えたいところです。

4.流動比率
流動比率とは、流動負債に対する流動資産の割合をいいます。
流動比率が100%割っているということは、新たな借入れをしなければ、1年以内に支払不能となることを意味しています。
また、この比率が悪い場合には、流動負債で固定資産を補っているケースが多いので、長めの資金に切り替えるなど対策をとりましょう。
短期を長期の借入に切り替えていくと、月々の返済金額が減り、資金繰りが楽になるため、ずさんな経営になり易くなります。
また、流動比率の改善は、短期資金の借り増しというケースも多く見受けられます。
そうすると、自己資本比率やギアリング比率の悪化に繋がってきます。
流動比率は、140%以上を目指したいところです。

収益性分析

1.売上高経常利益率
売上高経常利益率とは、売上に対してどれだけ経常利益をあげているかを表す指標です。
経常利益は、企業の営業活動だけでなく、財務活動も含めた利益をいいます。
営業外活動や財務活動で、営業利益より経常利益が大幅に増えている企業も考えものですが、借入金依存型の企業は、支払利息などで利益を圧迫されるケースが多くなります。
売上高経常利益率を上げるためには、要は利益率をよくすることです。売上の伸び以上に利益を伸ばす。売上が伸びても、それ以上に経費が増えていたら売上高経常利益率は悪くなります。
売上高経常利益率は、業種にもよりますが、一般的に4%以上を目指したいところです。

2.総資本経常利益率
総資本経常利益率とは、総資本に対する経常利益の割合を示す指標です。
企業が投下した資本に対して、どれだけの利益を生み出したかを測定するもので、ROAとも呼ばれています。マーケットで企業の収益性を判定するのによく使われる指標でもあります。
業種や会社の規模によって差が出やすい指標ですが、最低限、銀行の定期預金より高くなければ、何もしないで銀行に預けていたほうがマシといえます。

総資本経常利益率は、総資本回転率(売上高/総資本)と、売上高経常利益率(経常利益/売上高)の2つに分けられます。
総資本回転率とは、総資本を投入することによってどのくらい売上をあげることができたかを見る指標で、1年間の売上高で、資本が何回回収できたかが分かります。
例えば、総資本回転率が2回ならば、約183日で資本が回収できることを意味します。

一般には、回転率と利益率は、反比例の関係があります、回転率の高い業種、商品は利益率が低く、利益率の高いものは回転率が低くなる傾向があります。
総資本を売上高の増加より抑えつつ、利益を上げれば、総資本経常利益率は上がるわけですから、まずは、総資産をスリム化することを意識してみましょう。
総資本経常利益率は、一般的に3%以上を目指したいところです。

3.収益フロー

黒字経営が続けば、それを評価する項目も存在します。3期連続黒字を目指したいところです。

成長性分析

1.経常利益増加率
前期と今期の経常利益を比較して、成長性のうち規模の拡大を測定するための指標です。
利益にはいろいろな段階がありますが、間接金融の比率が多い日本では、財務活動も合わせた経常利益が最も代表的な利益とされています。
経常利益増加率は、30%以上あるとベストです。ただし、利益を増やし続けなければならない項目ですので、年度によってブレやすい指標でもあります。

2.自己資本額
企業の規模が大きい方が有利な項目ですので、債務超過でなければ、あとは地道に規模を大きくしていく項目です。

3.売上高
自己資本額ほどではありませんが、これも企業の規模が大きい方が有利な項目です。地道に規模を大きくしていく項目です。

返済能力

1.債務償還年数
債務償還年数とは、有利子負債(割引手形除く)を、キャッシュフローで割り、返済するまで何年かかるかを測る指標です。
キャッシュフローは、ここでは減価償却費と営業利益の合計となります。これが返済原資ですので、あまり長い年数となり過ぎますと、返済能力に不安があることとなります。債務償還年数は、7年以内あたりを目標としましょう。

2.インタレスト・カバレッジ・レシオ
インタレスト・カバレッジ・レシオとは、営業利益と受取利息の合計が、支払利息・割引料の何倍あるかと示すもので、企業の利息支払能力を測る指標です。
この数値が小さいと、利益から利息も満足に支払えない状況と言えます。インタレスト・カバレッジ・レシオは、4倍くらいは目指したいところです。

3.キャッシュフロー額
ここで使うキャッシュフローも、ここでは減価償却費と営業利益の合計となります。
ただし、企業の規模が大きい方が有利な項目ですので、マイナスは論外としても、地道に規模を大きくして、たくさん利益を出せるようにしていく項目です。

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