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●就業規則作成の注意ポイント

就業規則の作成につき

従業員とのトラブルの要因に就業規則の未整備に起因することがまれにあります
就業規則の作成を考えること
就業規則は職場の実態に即していること

1.作成義務

① 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成して、遅滞なく所轄労働基準監督署長に届け出る必要があります。また、就業規則を変更した場合も同様です。
② 常時10人未満の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成することが望ましいと考えられます。
③ また、10人以上か未満かは事業所の単位ごとに考えます。

2.従業員の意見

労働組合がある場合は、その労働組合、組合がない場合は、労働者の過半数を代表する者の意見を聞く必要があり、労働基準監督署への提出時にその意見を記載した書面を添付する必要があります。
ポイントは実際に従業員に徹底させることです。守れないことを定めても意味があるません。

3.記載事項

① 絶対記載すべき事項
1)始業および就業の事項
2)休憩時間・休日・休暇
3)賃金(ボーナスを除く・支払方法・締め日・支払の時期・昇給)
4)退職に関する事項(解雇・制裁規定)
② どちらでもよい事項
1)退職手当・ボーナス
2)食費・諸手当に関する事項・職業訓練に関する事項

4.休職

① 年次有休休暇
労働者が6ヶ月以上勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合には、少なくとも以下の基準による年次有休休暇が付与されます。

勤続年数

6ヶ月

1年6ヶ月

2年6ヶ月

3年6ヶ月

4年6ヶ月

5年6ヶ月

6年6ヶ月以上

年休日数

10日

11日

12日

14日

16日

18日

20日

・年休を取得する権利は、年休が発生した年度の翌年度末まで行使できます。(権利を取得してから2年経つと時効)
・通常の労働者に比べて所定労働日数が少ないパートタイマーやアルバイト等に関しても、年休付与の条件を満たす場合には、以下の基準による年休が付与されます。

 

勤続年数に対応する年休日数

週所定労働時間

週所定労働日数

1年間の所定労働日数

6ヶ月

1年6ヶ月

2年6ヶ月

3年6ヶ月

4年6ヶ月

5年6ヶ月

6年6ヶ月以上

30時間以上

10日

11日

12日

14日

16日

18日

20日

30時間未満

5日以上

217日以上

 

 

 

 

 

 

 

4日

169~216日

7日

8日

9日

10日

12日

13日

15日

3日

121~168日

5日

6日

6日

7日

9日

10日

11日

2日

73~120日

3日

4日

4日

5日

6日

6日

7日

1日

43~72日

1日

2日

2日

2日

3日

3日

3日

② 生理休暇
生理日の就業が著しく困難な女性が請求したときは、必要な日数の休暇を与えなければなりません。

5. 普通解雇

解雇の事由について、その事由ごとに大別すると、下記の3つになります。
労働者の労務提供の不能、労働能力又は適格性の欠如・喪失によるもの。
(教育、指導、研修を充分行っても改善に余地がなく業務に支障がある場合や試用期間中又は試用期間満了時までに従業員として不適格であると認められる場合など)
② 労働者の規律違反の行為によるもの。
③ 経営上の必要性によるもの。
(経営上の必要性から事業の縮小・転換又は部門の閉鎖等を行う必要が生じ、他の職務に転換させることが困難な場合など)

6. 懲戒処分

① 懲戒処分におおむね下記の5つあります。
1) 戒告・訓告
2) 減給
1回の違反行為に対する減給の額は平均賃金の1日分の半額を超えてはいけない。
減給の額の総額は1賃金支払期における賃金の総額の1/10を超えてはいけない。(繰越処理する形をとることも考えられます)

例えば、遅刻を1回した場合に、半日以上の減給処分は違反行為となります。ただし、遅刻した部分の時間に対しての減給は認められるので1日の所定の労働時間の半分以上、遅刻した場合は、その日につき1日の減給処分は可能です。したがって、遅刻した時間に対応する給与は支払う必要はなく、遅刻、1回につき半日の給与を減給できます。
よくある例では3回の遅刻で1日分の減給処分といった例がありますがこれも合法です。3回ですから1.5日分の減給処分が可能ですから、1日分、減給にすることは問題ありません。
3) 出勤停止
出勤停止の期間に対応する給与は支払いません。
4) 降格
5) 解雇 
懲戒解雇の場合は、退職金の減額。不支給となります。また、労働基準監督署の承認を得た場合は解雇予告手当ては支給する必要はありません。

② 懲戒処分になる場合
懲戒解雇の事由について、その事由ごとに大別すると、下記の7つになります。
* 1 採用の合否に重要な影響を与える経歴詐称
* 2 無断欠勤を2週間以上するなど職務懈怠
* 3 業務命令に従わない場合
* 4 故意または重大な過失により会社に重大な損害を与えるなどの業務妨害
* 5 わいろ、無断で会社の備品を私的に使用したり、セクハラ等の職場規律違反
* 6 業務外で刑事事件を起こす等の私生活上の非行等
* 7 会社の秘密を漏らすなどの誠実義務違反

7. 就業規則の位置関係

下記の順番
1) 法令(労働基準法)
2) 労働協約(労働組合が、会社との団体交渉によって決められもの)
3) 就業規則
4) 労働条件(会社と一従業員との間で締結する契約)

8. 就業規則チェック事項

1) 服務規程はありますか?
2) 懲戒処分事項については具体的に定めていますか?
3) 退職者と業務の引継ぎに関する規定がありますか?
4) 遅刻・早退に関する制裁規定に関する事項の記載がありますか?
5) 欠勤と無断欠勤に関する事項の記載がありますか?
6) 退職者と守秘義務に関する規定の記載がありますか?
7) 兼業についての規定がありますか?
8) 教育・指導・研修を充分おこなっても業務を習得できない場合は解雇についての規定がありますか?

 

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